池谷のぶえ、渡邊圭祐、安井順平、穂志もえか、松雪泰子。世田谷パブリックシアター×前川知大 新作公演『無駄な抵抗』公演概要&ビジュアル発表!

カルチャー
2023年07月28日 12時00分

無駄な抵抗はやめろ、と誰かが言う。
私の気持ちを挫こうとして。
抵抗は、やめない。まだ無駄と決まったわけじゃない。

目に見えないものと人間との関係、日常と非日常、現代と未来と過去―――
これまでも独創的な観点から、あらゆる空間や時間を自在に描き出し、日常と地続きにある不思議な世界を立ち上げてきた前川知大。
その前川と世田谷パブリックシアターが4年ぶりにタッグを組み、新作を上演。
今回新たに、公演スケジュール・チケット情報・ビジュアルを公開。
ポストトークの開催も決定。劇場ホームページおよびSNSでも情報を発信中!
世田谷パブリックシアター×前川知大
前川が初めて世田谷パブリックシアターとタッグを組んだのは 2009年。小泉八雲の怪奇文学作品集「怪談」の短編をもとに、“語り物”の手法を取り入れて構成した『奇ッ怪〜小泉八雲から聞いた話』を上演し、
前川は第44回紀伊國屋演劇賞個人賞、第 60 回芸術選奨新人賞を受賞した。続く2011年には、能狂言から着想を得た『現代能楽集Ⅵ 奇ッ怪 其ノ弐』で現実と夢幻が交錯する世界を現出させ、第19回読売演劇大賞の大賞および最優秀演出家賞を受賞。2016年には岩手県遠野地方に伝わる逸話・伝承を記した柳田国男の説話をモチーフにした『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』を、2019年には古代ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」を原典にしたSF作品『終わりのない』を上演し、『遠野物語』で読売演劇大賞大賞・最優秀スタッフ賞を、『終わりのない』で文化庁芸術祭賞新人賞を受賞した。

作品のモチーフは、近代日本の説話から、能・狂言、古代ギリシャの叙事詩、宇宙と、作品を追うごとに多岐に渡るが、日常と地続きに描かれるリアルさは変わらず、前川の真骨頂が発揮されている。
出演には魅力的なキャストが勢揃い。イキウメ公演ほか数々の前川作品に出演し独自の存在感を発
揮する池谷のぶえ、2018年『ゲゲゲの先生へ』以来5年ぶりの前川作品出演となる松雪泰子、イキウメ公演のほか『終わりのない』から続けての出演となる清水葉月。また今回が前川作品初出演となる渡邊圭祐、穂志もえか。そして、非現実的な世界もリアリティ溢れる演技で体現し、前川作品には欠かせない劇団「イキウメ」の俳優、安井順平、浜田信也、盛隆二、森下創、大窪人衛が脇を固める。古代ギリシャの叙事詩、ホメロスの「オデュッセイア」を原典とした新たなスケールのストーリーに挑戦した2019年の『終わりのない』に続き、今回前川が選んだテーマは、ホメロスの後に登場した古代ギリシャ悲劇。

ソポクレスの「オイディプス王」に代表されるように、ギリシャ悲劇の大テーマである「運命」を扱う。

『終わりのない』では神々と別れた人類の成長と意識の目覚めを、一人の青年に託して描いた。今作では、オイディプス王のように、世界という巨大な力「運命」に抗おうと、自らの意志を信じて生き始めた人たちを描く。

古代ギリシャ劇を発想の源泉として、前川は「運命」と「自由意志」をテーマに新たな作品の創作に挑む。前川はそこで、何を描きあぶり出し、現代に何を問うのだろうか。運命について。
未来は可能性にあふれ、たくさんの選択肢があるように見える。
でも人生を振り返ってみると、曲がりくねった一本の道が続いているだけ。
怒涛の“現在”が可能性をなぎ倒し、固めた、動かしようのない一本道。
もしもなんて無い。考えるだけ時間の無駄。
“現在”に背中を押され前を向く。
選ぶことに正解も間違いもない。全ては決まっているのかもしれない。
無駄な抵抗。“私”に自由はないのでしょうか。

ギリシャ悲劇「オイディプス王」では、
不吉な予言から逃れようと行動したオイディプスが、それゆえに予言を成就させていく。
気付いた時には手遅れ。全てはこうなる運命だった。
オイディプスに自由はあったのだろうか。

運命と感じるのはいつも全てが終わった後で、私には知らない自由もあったのだ。

全てはこうなる。
【作・演出】前川知大 コメント
世田谷パブリックシアターとの創作では、劇団でのオリジナル作品とは少し違う地点から作品を立ち上げることができるのが魅力と思っています。今回は前回『終わりのない』から続き、ギリシャがスタート地点にあり、ギリシャ劇の大テーマである「運命」を描きます。
舞台は現代で、私たちの日常から始まります。例えばそれは、人生を大きく左右する選択であったり、自分ではどうにもならないことにどう対処するのか、といった誰もが人生で経験することに自由意志と運命が、どう拮抗するのか、そういうところに迫っていけたらと思っています。
【出演】池谷のぶえ コメント
運命について——私にとって運命は、なるべく身を委ねる方を選択してきた。しかしその解釈も、「運命」という、いったい何に操られているかわからないもののせいにしてしまった方が楽だと感じているからかもしれない。別の運命の可能性のことを考えてしまうことも、既に運命の中に組み込まれてるとしたら、そのことを考えている時間が悔しい…と、考えてしまう時間すら運命だと言われるのでしょうから。
信頼できる座組の皆さんと、なんだかとても太刀打ちできない巨大なものに挑もうとしている、静かな唸りを感じます。どんな運命になるのか、してやろうか、それこそが無駄な抵抗なのか…楽しみです。
【出演】 渡邊圭祐 コメント
前川知大さんの作品に参加できるという喜びと世田谷パブリックシアターの舞台に再び立てることを嬉しく思います。
運命について、現在と自由、あらゆる可能性、すべてはこうなる、この言葉だけで心が踊らされてしまっています。
どのような作品を作り上げていけるのか、私自身今からワクワクしております。観に来ていただいた方と思いを共有できるよう、時間をかけて磨きたいと思います。
【出演】松雪泰子コメント
前川さんの元、新たな創作に関われる事に喜びを感じております。これから立ち上がる世界を丁寧に積み上げていきたいと思います。無駄な抵抗...どんな世界になるのか楽しみながら、創作していきたいと思います。
出演には魅力的なキャストが勢揃い。イキウメ公演ほ…
古代ギリシャの叙事詩、ホメロスの「オデュッセイア…
運命について。未来は可能性にあふれ、たくさんの選…
<【参考】ソポクレス「オイディプス王」 あらすじ>
テバイの王ライオスは、やがて生まれる実子により殺される運命だと神託より告げられ、妃イオカステとの間に生まれた赤子を葬るよう召使いに命じた過去があった。それから十数年後、ライオスは遭遇した盗賊に突然殺されてしまう。テバイの民は王を失い、更にスフィンクスの謎かけの危難に見舞われるが、そこへコリントスよりやってきたオイディプスが現れ、スフィンクスの謎を解きテバイを救う。オイディプスは神託により「自らの母親と交わり父親を殺害するだろう」という恐ろしいお告げを受け、コリントスから逃げて来たのだった。やがてオイディプスはイオカステを妻に迎えテバイの王となり4人の子をもうける。

後にテバイに疫病がひろがり国は危機的状況となる。疫病を鎮めるには先王の殺害者を罰せよと神託が告げられ、オイディプス王は先王殺害の犯人について証言者から話を聞きだすことにする。しかし話を聞きだすにつれて、自身こそがライオスを殺した犯人であること、出身はコリントスでなく自身こそがライオスが殺すよう命じた子供であったことが明らかになる。
オイディプスもライオスも、運命から逃れて生きてきたつもりが、結局は運命の通りになってしまった。
真実を知ったイオカステは自害し、オイディプスは自ら両目を突き刺し盲目となった。
舞台概要
【無駄な抵抗】
日程:2023年11月11日(土)~11月26日(日)
会場:世田谷パブリックシアター
作・演出:前川知大
出演:池谷のぶえ 渡邊圭祐 安井順平 浜田信也
穂志もえか 清水葉月 盛隆二 森下創 大窪人衛
松雪泰子
美術:土岐研一
照明:佐藤啓
音楽:かみむら周平
音響:青木タクヘイ
衣裳:伊藤早苗
ヘアメイク:西川直子
ステージング:平原慎太郎
ドラマターグ:谷澤拓巳
舞台監督:田中直明
チケット料金:全席指定
[一般] S席(1階席・2階席) 8,500円(税込)、A席(3階席) 5,500円(税込)
[高校生以下] S席(1階席・2階席) 4,250円(税込)、A席(3階席) 2,750円(税込)
※劇場友の会、アーツカード、U24割引あり ※託児サービスあり ※車椅子スペース取扱あり

チケット取扱い:世田谷パブリックシアターチケットセンター
03-5432-1515(電話・窓口 10:00~19:00 発売初日は電話のみ)
世田谷パブリックシアターオンラインチケット:https://setagaya-pt.jp/(要事前登録・24時間受付)
チケットぴあ/イープラス/ローソンチケット/カンフェティ にてチケット取扱いあり
チケット一般発売:2023年9月10日(日)
お問合せ:世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515 https://setagaya-pt.jp/
主催:公益財団法人せたがや文化財団
企画制作:世田谷パブリックシアター
制作協力:エッチビイ
後援:世田谷区

<兵庫公演>
日程:12月9日(土)15:00、12月10日(日)13:00
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
チケット料金:8.500円(全席指定・税込)
チケット一般発売:9月23日(土・祝)
チケット取扱い・お問合せ
芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00~17:00 月曜休/祝日の場合翌日)
https://www.gcenter-hyogo.jp
チケットぴあ/イープラス/ローソンチケット にてチケット取扱いあり
主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター

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